営業秘密を楽天モバイルに盗まれたソフトバンクの損害賠償額は1000億円以上。まずは10億円で訴訟開始。

営業秘密を楽天モバイルに盗まれたソフトバンクの損害賠償額は1000億円以上。まずは10億円で訴訟開始。

以前に通信設備の運用などを担う「伝送エンジニア」として、
携帯電話のネットワーク構築に関わる業務に従事していたソフトバンク社員が
5Gバンド帯の基地局整備に関する技術情報を不正に持ち出して楽天モバイルに転職し、
その後逮捕された事件がありました。
関連記事：元ソフトバンク社員、5G技術情報を不正に持ち出して楽天モバイルに転職後、逮捕。 | ニュー節約速報

さて、この度ソフトバンクが楽天モバイルに対する訴訟を開始したことが報道されています。
請求額はひとまず10億円という金額が設定されました。
しかし、今回の技術情報の漏洩での逸失利益は1000億円はくだらない、
というのがソフトバンク側の主張です。

また損害賠償額については、不正競争防止法5条2項（損害賠償額の算定規定）に基づいて算定。基地局建設前倒しで得られる利益、新規契約獲得による利益、解約率低下での利益、そしてローミングコストの削減といった点だけでも1000億円を下らないと説明。ただ、訴訟額が巨額になると訴訟手続き上のコストも上がるとのことで、まずは10億円での賠償請求にしたという。

ソフトバンクの技術情報が楽天モバイル内にて展開されていることが確認される。

報道によると、盗まれたソフトバンク側の技術情報が、楽天モバイルの
複数の社内メールに転送され、情報が開示されていることがソフトバンクによって
確認された、とのこと。楽天モバイルはそれらのファイルは全て破棄した、とのこと。

楽天モバイルは裁判所とソフトバンクへそれらのファイルを提出した後、全て廃棄した、という。

どこまで真実なのが、どちらの言い分が正しいのかは、裁判の過程で明らかになるでしょう。

それにしても、楽天は中国IT大手のテンセントからの出資を受けて日米両国の情報機関から
共同で監視対象となったことが明らかになっているのに、今回の訴訟を受けてますます八方塞がり。
少なくとも一般市民から見た「心象」はあまり良くないですね。
関連記事：楽天、中国IT大手のテンセント子会社の出資を受けた罪で日米政府に共同監視される。官僚の対応は相変わらずのクソっぷり。株価は下げたものの戻す。良かったねミキティー。 | ニュー節約速報

なお、ソフトバンク側の逸失利益1000億円という数字も、かなり眉唾もので
「とりあえずふっかけたれ」という値切り前提の価格にも見えますし、
両者の交渉と激突はこれから。

既に盗まれた5Gの基地局整備に関する技術情報はもう取り戻せないとしても、
日系企業の技術情報がこれ以上漏れないためにも、スパイ防止法の制定は必須かと。

赤色の人達が反対するのが目に見えていますが、そろそろそのへんの政治工作も排除しないと、
まずいことになるかと。

いつまでも衆愚政治の名のもとに、適当な為政者が適当に政治を行うだけでは、
我が国の主権と独立と安全と平和を守るのが難しくなってきている時代ですね。