「残クレ」マイホーム、爆誕。国土交通省が支援。

2025年12月10日

「残クレ」でマイホーム、国が銀行向け保険　新型住宅ローン普及促すhttps://t.co/HJirPBE8hK

— 日本経済新聞電子版（日経電子版） (@nikkei) December 9, 2025

高騰する住宅価格、そして若手の家が買えない問題、そして少子高齢化へ・・・という地獄の悪循環を断ち切るべく、
国土交通省は「残クレ」マイホームを後押しするそうな。

国土交通省は残価設定型と呼ぶ新たな住宅ローンの普及を後押しする。死亡時などに売却する前提で毎月の返済額を抑える仕組みを使い、住宅価格が高騰する状況でもマイホームに手が届くようにする。住宅金融支援機構が金融機関向けの保険を提供する。

残価設定型は車やスマホを買う際、支払額を抑える手法として一般的だ。将来の売却を前提に売却想定額「残価」を決め、この分は返済不要にする。
「残クレ」でマイホーム、国が銀行向け保険　新型住宅ローン普及促す – 日本経済新聞

仕組みとしては、リバースモーゲージに近くなりそう。あれは高齢者が中心ですが、
残クレ住宅として、国交省は20代～30代の利用を想定しているそうな。

リバースモーゲージとは：
持ち家を担保にお金を借りる高齢者向けのローンで、契約者は亡くなるまで自宅に住み続け、
死亡後に自宅を売却するなどして元金と利息を一括返済する仕組みです。
「自宅を手放さずに現金化できる」「住み続けられる」のがメリットです。デメリットは死ぬほどあります。

残クレマイホーム、アルファード、スマホ比較：

という訳で、残クレ住宅、残クレアルファード、残クレスマホのメリット・デメリットをまとめてみました。

項目	残クレ（住宅）	残クレ（アルファード）	残クレ（スマホ）
価格帯	数千万円（長期優良住宅が前提）	500万～700万円	10万～20万円
期間・仕組み	20～25年で元金返済。 70歳以降は残価への利息のみ。	3～5年。終了時に買取・返却・乗換。	2～4年。返却か買い取り、機種変更が前提。
残価設定	将来売却想定額を残価に設定（国の保険で下支え）。	30～50％。車種人気・走行距離で変動。	20～60％。ハイエンドほど残価高め。
金利水準	住宅ローン金利。残価を含む全額に金利。	自動車ローン相当。残価を含む全額に金利。	無しが多い。
月々の負担	通常ローンより低く抑えられる。	通常ローンより低い（維持費は別）。	数千円～1万円台に抑えやすい。
終了時の選択肢	売却で残価精算／残価支払いで継続居住。	乗換・返却・残価払って買取。	機種変更・返却・残価払って買取。
価値下落リスク	時価が残価を下回ると差額発生。ただし国の保険が一部補填。	事故・過走行で追加請求の可能性。	破損・劣化で減額。サイクルが短く影響は軽め。
中途解約のしやすさ	住宅売却が必要で柔軟性は低い。	途中清算は負担大きめ。	返却や機種変更で整理しやすい。
メリット	月々を抑えてマイホーム取得しやすい老後の返済負担を軽減。	高級車に低負担で乗れる。	初期費ゼロで最新スマホを使える／常に新機種へ更新しやすい／無金利が多く残価方式の恩恵を最大化できる
デメリット	長期の金利負担／売却前提の仕組みがライフプランに影響。	維持費負担・制限多め。	2年後ピッタリに機種変更するのが一番オトク。 2年後ピッタリに欲しい機種があるか現時点では不明確。

一番の違いは、スマホは金利がかかりませんが、マイホームやアルファードは残価に対してもかかる、ということ。
将来召し上げられるものに対しても金利払うのかよ、という利用者側の声もあります。

また、車やスマホは最悪売って代金を回収すれば、赤字が出ても数万～数百万で人生として長い目で見てなんとかなるのですが、
住宅だと価格下落した場合の幅が大きいですから、人生の立て直しが効かない場合があります。
地震や津波、津波、台風などで被害を受けた場合はどういう扱いになるんだろう。
利用条件として損害保険も手厚く入らないといけなくなり、また支払いが増えそう。

更に、最後は売却で残価精算が前提となるので、利用に際してはそれなりに良い立地のゼッチ基準（対環境性能）を満たした、
それなりにお高い新築～築浅物件に限定されそうです。

という訳で、何かとデメリットが多そうな残クレマイホーム、ご利用は慎重にどうぞ。

国としては、住宅価格の高騰を抑えたいのであれば、こんな残クレマイホームを後押しする前に、
投機的転売を抑制したり、転売益に増税したり、やることはいっぱいあると思いますが・・・