転売ヤー、iPhone・PS5の転売でボロ儲けするものの、バブル崩壊。ポケカ転売は10時間で5000円、時給500円という地獄へ。転売問題は道徳の問題。

転売ヤー、iPhone・PS5の転売でボロ儲けするものの、バブル崩壊。ポケカ転売は10時間で5000円、時給500円という地獄へ。

コロナ禍の巣ごもり消費や半導体不足、サプライチェーンの混乱で、
一時期はiPhoneやPS5の在庫不足が目立ちました。その結果、転売ヤーが跋扈して、
大儲けした人もいた反面、高値で転売品を中古マーケットで買わざるえなかったり、
購入を諦めた人も多かったのでは。

さて、最近はポケモンカード転売が話題になっていますが、1箱5000円程度しか稼げず、
場合によっては10時間並んで購入し、時給は500円程度だったそうな。

今転売屋が群がるポケモンカード…しかし「所詮時給500円」
　ゲーム機バブルの終焉（しゅうえん）で閉店を余儀なくされた転売屋もいるなか、次の商品をしっかり見つけた者たちもいる。それはポケモンカードの拡張パック「クレイバースト」と「スノーハザード」シリーズだ。

　ポケモンカードは転売対策に、外箱に巻かれている包装を破って捨ててしまう店も多い。しかし店によってはそのまま売ってくれる。お店側も背に腹は代えられないわけで、転売を黙認しているともとれる。

　先述の飯塚さんもそういったお店を見つけ「10時間並んだ」と話す。

　このシリーズは箱で買うと定価が約5000円で、フリマアプリなどでは1万2000円程度でさばける。アプリの手数料を引くと、利益は5000円程度残りそうだ。しかし、5000円を得るために10時間並んでしまっては、コンビニバイトのほうが効率よさそうだが、本人は「僕は転売屋としてやっていくと決めたので。これからはポケモンカードをメインにしていきますよ。稼げなくなった分は並びを増やしてカバーする」と話す。
転売屋の末路…iPhone・PS5転売で利益300万→バブル終了で”在庫800万円”、ポケカ転売は「時給500円」の実態（みんかぶマガジン） – Yahoo!ニュース

大のおっさんが時給500円では動けないな・・・生活に困っているならばともかく、
サラリーマンの土日を潰す金額としては流石にもったいない。

さて、転売ヤーの功罪や社会的道義、モラルの問題は古くから議論の対象ですが、
少なくとも転売が禁じられているもの（医薬品、酒、タバコ）やそもそも所持や販売が禁じられている
違法な物（薬物、武器弾薬、動植物）を除けば、転売しても違法ではありません。

税金さえ払っておけば、（法的には）とりあえずOKです。道義的にはともかく。

転売問題は道徳の問題へ：

転売問題を考える時、一般的な転売に関しては2つの派閥が存在します。

その値段で買いたい人がいて、売りたい人がいるんだからいーじゃん派と、
社会全体の福祉としてどうなの、道徳を考えよう派です。

道徳を考えなくてはいけない派としては、マイケル・サンデル（ハーバード大学教授）が有名です。

サンデル教授の著書、「それをお金で買いますか 市場主義の限界」は実に名著で、
「果たして地方自治体が無料で行うコンサートを、ホームレスが並んで
チケットを入手し、それを転売するのは善か悪か。それは議論しなければならない」という本です。

末尾が概ね「議論しなければならない」で終わっているのが気になりますが、
この教授は概ね市場主義の限界を主張する人で、なんでも市場に任せるのは間違っているという、
経済学者のミルトン・フリードマンとは反対の主張を行われる方です。

確かに、平日昼間にサラリーマンがコンサートの行列に並ぶことはできず、
並べる人（暇な人）が自分の時間を売ってチケット（コンサートは夕方から始まる）を貰い、
それを時間がない人に売る、時間がない人はお金でそれを買えてコンサートが見れてハッピー、
ホームレスはお金がもらえてハッピー、仲介業者は手数料がもらえてハッピーなのですが、
それは主催者の意図（無料で庶民に音楽を嗜んでもらい、公共の文化形成に資する）に則しているのか、
という質問に対しては、則していないだろう、という本です。

興味ある人は読んでみましょう。PS5転売騒ぎも大分落ち着いてきましたし、
そんな流行に乗っかって高値で買ってもしょうがないので、落ち着いたら中古で買いましょう。

みんなが欲しいものをほしいときに高値で買ってはいけません。
それは節約道に反します。