一蘭で小学6年生までラーメン無料。これを美談として取り上げるようでは、もう終わりだよこの国。

一蘭で小学6年生までラーメン無料。これを美談として取り上げるようでは、もう終わりだよこの国。

一蘭公式アプリの『麺バー限定』サービスということで、大人と一緒に来店した小学生、
大人1名につき、お子様5名までラーメン1杯無料、ちゃんと大人は買ってね、
というサービスを実施中です。

店舗のご案内｜天然とんこつラーメン 一蘭

顧客サービス、囲い込み施策、未来の顧客づくりへの投資として実施しているわけで、
どちらかというと「商魂たくましいなぁ、トータルでプラスになるように絵を描いてるんやな」と思いますが、
女性雑誌がこれを美談っぽく伝えているのがあまり賛同できませんね。

客からするとたしかに神サービスではあるが

確かに客からすると神サービスですよ。

本来子供分のサービス料金はその他大人料金に転嫁されているとか、
当然原材料費を仕入れている下請け業者にも支払いは発生するとか、バイトへの賃金は発生するとか、
家賃減価償却費その他固定費は無慈悲に発生するとか、席が混んでいて入れなかった大人客が
逸失利益になるとか、そんな大人の事情は、子連れの利用客からしてみればどうでもいいのです。

「あー、ラーメンが家族で安く食べれて幸せだな」、それで終わりでいい。それが普通の感覚です。

ただ、週刊誌が美談っぽく
「神か？「小6まで無料」ラーメン一蘭に感動、“社内で反対の声は0”だった（女子SPA！） 」なんて
タイトルを付けて取り上げているのを見ると、神もずいぶん安くなったなぁ・・・としか思えません。

「来店客の40％が女性であり、社内での反対の声は0、素晴らしい、店内は子供の笑顔でいっぱい、
一蘭は子供に優しい、みんな行こう！」・・・はいはい。美談美談。良かったね。

「6年ぶりにラーメンを食べに行けた」と感謝の声も

なんだか自分たちの貧しさ、貧困さを自慢して自虐風に喜んでいるとしか思えない。

「6年ぶりにラーメンを食べに行けた」と感謝の声もあるようですが、
そういう人は、そもそも本質的に自身を取り巻く環境がなにか、というのを考えた方がいい。
無料ラーメン食って喜んでいる場合じゃない、と雑誌は啓蒙活動するべきかも。
雑誌の性質と読者層的に無理か。ま、それもしゃーない。

ただ、子供の頃に親から「無料ラーメンで良かったねぇ」で終わる家庭と、
「無料ラーメンで良かったねぇ、ところでなんで無料なんだと思う？」と問いかけがある家庭では、
その後の子供の人生が変わってくるかも。

そうすれば、また自分の子供が大人になってビジネスを営める年頃になった時に、
自分でお店を持って、その時の子供世代に恩返し（または将来顧客への投資）をするようなサービスが
出来るかもしれませんね。