闇バイトで相次ぐ強盗事件。反撃して犯人を死なせても正当防衛は認められるのか。

闇バイトで相次ぐ強盗事件。反撃して犯人を死なせても正当防衛は認められるのか。

昨今、ニュースを賑わせているトクリュウ（匿名・流動型犯罪グループ）による犯罪、そして闇バイトに応募する若者の
身勝手な犯行ですが、仮に自宅を襲撃され、無我夢中で反撃した場合、罪になるのか、
それとも正当防衛は認められるのか、どちらでしょうか。弁護士ドットコムニュースが記事にしています。

盗犯等防止法1条1項は、窃盗犯や強盗犯から自分の身を守るために防衛行為を行った場合、犯人を殺傷したとしても正当防衛が成立することを定めています。

さらに同条2項は、被害者に現在の危険が差し迫っていなくても恐怖や驚愕、狼狽で犯人を殺傷してしまった場合であっても罰しないと規定しています。

刑法上の正当防衛は防衛行為の相当性が厳格に求められるのに対して、盗犯等防止法の正当防衛は相当性の要件が緩和されていると考えられています（最高裁平成6年6月30日判決）。

窃盗犯や強盗犯に遭遇した状況において自分の身を守るために行き過ぎた反撃をしてしまった場合に、特別に正当防衛の成立を認めやすくした規定なのです。

とはいえ、誰が見ても「いくらなんでもそれはやり過ぎだよね」と思われる防衛行為を行って犯人を殺傷した場合には盗犯等防止法上の正当防衛は成立せず、過剰防衛の成立にとどまることになります。
首都圏で相次ぐ強盗事件　反撃して犯人死なせても「正当防衛」認められる？（弁護士ドットコムニュース） – Yahoo!ニュース

つまり、通常の正当防衛が成立するのはかなりレアケースです。単純に道を歩いていたり、町中でいた時に、
相手が素手で殴りかかってきた際にこちらは刃物で応戦して斬り殺すと、過剰防衛に該当するでしょう。

しかし、自宅に押し込み強盗が入ってきた場合、相手が素手だろうがなんだろうが、
狼狽して殺傷しようが、罪に問われない可能性があります。罪に問われても、減刑されることも考えられます。
ただし、素人が判断するのは危険です。

以前も池袋のマンション強盗で中国人社長の自宅に刃物を持った男が押し入り、その過程で中国人社長が
反撃してうち1名が死亡しましたが、中国人社長は罪に問われることはありませんでした。
池袋の強盗を依頼容疑、2中国人逮捕　現場で死亡の実行役は書類送検：朝日新聞デジタル

他人事のように自分の犯罪を語る闇バイトに応募した若者たち：

最近の報道によると、「ホワイト案件だと思って応募した」「強盗の片棒をかつぐとは知らなかった」
「自分が殺されると思った」「犯罪に加担してしまった」などと身勝手な若者の供述が目立ちます。
何を他人ごとのように抜かしてんねん。知恵遅れ故に怪しいバイトに引っかかって犯罪を犯したのはお前だろうが。

当然、闇バイトに応募するような輩は、被害者が結果として死のうが障害が残ろうがどうでもいい、
自分が助かるか、お金が貰えれば何でもいいと思っている野郎です。
襲撃先の家の無実の人がどうなろうが、知ったことではない、というスタンスです。

襲撃された側は、自分の身や家族の安全を守るのに必死です。相手は何人いて、目的は何なのか。
武装しているのか。それとも素手なのか。考察している余裕はありません。
手元に刃物があれば、とりあえず振り回すしかありません。その結果、犯人が死んでもしょうがないでしょう。
過剰防衛かも、とか、将来のある若者の未来を奪ってしまった、とかの反省は、生きていてこそ出来る所業です。

相手は人間の心を忘れた獣ですので、こちらも生き残るために必死です。
中途半端に犯人が生き残っても困りますし、逆恨みされて逆襲されて家族が巻き沿いになっても、
後悔しきれないでしょう。

死人に口なしです。犯人が結果的に死亡することは、地域の安全と抑止力の強化にも繋がります。

警察「闇バイト実行役は必ず捨てられる」

闇バイトの“扱い”について…

元神奈川県警捜査1課長　鳴海達之氏
「（闇バイトは）使い捨てですから。使うだけ使っておいて、最後は警察に捕まってもいい。その人たちに報酬をやるようなことはしないと思う」「（強盗は）捜査にかける人員が多いから、逃げ切れるわけがない。（闇バイトは）使い倒されて、最後は捕まるようにできている」

グループを抜けようとしても「家族をひどい目に遭わす」などと、指示役らが脅してくるといいます。

日テレNEWS NNN

こうしたなか、警察庁は指示役に脅され、犯罪に加担しそうになっている人に呼びかける、異例の動画を公開しました。

警察庁生活安全企画課　阿波拓洋課長（警察庁のXより）
「勇気をもって抜けだし、すぐに警察に相談してください。警察は相談を受けたあなたや家族を確実に保護します」
相次ぐ強盗事件…闇バイト実行役は「必ず捨てられる」専門家が指摘（日テレNEWS NNN） – Yahoo!ニュース

なかなか警察は動いてくれませんし、本当に市民の安全を守る気があるのかは微妙なところですが、
流石に世間をこれだけ騒がせている事件ですので、警察も本腰を入れて取締の強化に動いて欲しいところ。

通信アプリなどの解析や、防犯・見回りの強化、防犯カメラの設置、AIによる人物・車・移動ルートの解析、
犯罪の指南役の逮捕・投獄と、また、そして模倣犯が出ないためにも厳罰化が求められます。

市民の側にも、戸締まりをしっかり行い、必要に応じて警備会社と契約し、防犯カメラを設置し、
地域での見回りなどが求められます。

それにしても嫌な時代です。この国から安全神話がなくなると、一体何が残るのだろうか。