「トラックドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」とクレームを入れる消費者たち。ドライバー「別にやりたくてやってるわけではない」。

「トラックドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」とクレームを入れる消費者たち。ドライバー「別にやりたくてやってるわけではない」。

最近は減りつつあるようですが、コンビニやスーパーマーケット、ディスカウントストアでトラックドライバーが
荷物を棚卸しする光景が見られ、それに対してクレームを入れる消費者様もいるそうな。

消費者のなかには、ドライバーが棚入れをしていると

「ドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」

とクレームを入れる人もいる。食品配送を担うドライバーは、総じて清潔を心がけているが、

・作業着 ＝ 汚い
・ドライバー ＝ 汚い

といった誤った先入観が、「ドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」というクレームにつながってしまう。そのため、ドライバーには作業着とは異なるデザインの制服を着せたり、なかにはワイシャツ姿で配送を行う運送会社も存在する。

（中略）

　特に印象的だったのは、都内の高級住宅地にある一戸建て住宅への引っ越しの際のことだ。利用客が突然、

「あなたたち、汗をかかないで！」

と怒り始めた。新居や家財に我々の汗がつくのを生理的に我慢できなかったのだろう。暑くはなかったが、作業をしていれば汗はかく。

　最初は我慢していた利用客も、途中から耐えられなくなったようだ。その後、我々は汗をかかないように気をつけながらも、ヒステリックな罵声にさらされながら作業を続けることになった。

　この例は特異かもしれないが、今でもトラックドライバーや建築作業員の汗の匂いをスメハラ（スメル・ハラスメント）として攻撃する人は存在する。

　最近、空調服（作業着に電動ファンが付き、熱中症予防効果がある衣服）についてSNSで次のような投稿を見かけた。

「空調服を着てコンビニに入ってくる現場作業員のおじさんたち、自分の汗の匂いを店内にバラまかないで！」
「トラックドライバーが触ったおにぎりは買いたくない」 ドライバー自身による“棚入れ問題”が浮き彫りにしていた、現代社会の構造的病理（Merkmal） – Yahoo!ニュース

なお、トラックドライバーが商品を棚に詰める作業は概ね無償だそうで、トラックドライバーも別にやりたくて
やっているわけではありません。場合によってはフォークリフトを使って複数の建屋に渡る荷下ろしと仕分けを
やらされるそうな。

それが契約行為で、有償ならば喜んで行うドライバーもいるでしょうけど、多くはかつてのサービス精神の名残で、
「やらされている」ケースが多いのだとか。
最近はドライバーの地位向上と労働環境の改善で、減っては来ているみたいですが。

消費者「スメハラをするな！」

さて、汗をかいて荷物を運んだり、現場作業を行って社会を支えるおじさんに
「汗をかくな」「匂いを撒き散らすな」「人が見えるところで作業するな」というクレーマーがいるそうな。

世の中は主におじさんで回っており、そういった社会を支えるおじさんたちにはちゃんと感謝すべき・・・
ではありません。最近の「感謝を強要」する風潮にはうんざりです。感謝したければすればいいですし、
したくなければしなくてもいい、ちゃんと正当な対価を払うならば。

臭いおじさんは臭い、これは事実です。しょうがない。
臭いおじさんが存在することと、感謝すること、そして金をちゃんと払うことは、別物なのです。
別に考えなくてはいけません。

別に現業のおじさんたちも、感謝されたくて働いているわけではありません。
お金が欲しいから働いている訳です。

ただ、消費者側も口に出してクレームを言うべきではありません。直接「あんた臭い、消えろ」と言われると
人間誰しも気分が悪くなります。また、企業側や店側が対策を求められ、作業効率が落ちますし、
その分の金銭的負担は消費者に回ってきます。

人間、汗はかくものです。そしていつも清潔なスーツで作業は出来ないのです。
いちいち文句を言っている人は、そのうち「大工が触った家は住みたくない」とか言いそう。
アホかと。

せっかく口に出して言うのならば、「いつもありがとうございます」ぐらいにしておきましょう。
言う方も言われる方も、気分がいいものです。