ヨドバシカメラが100円の電球を送料無料で即日配達する理由。

ヨドバシカメラが100円の電球を送料無料で即日配達する理由。

昨今では物流改革が叫ばれ、国主導で「送料無料という表記はやめよう。顧客が無秩序に注文を繰り返しかねない、」
などと送料の適切な価格への転嫁、物流問題の解決への機運が高まっています。

さて、国内最大級のECサイトであり、物流の雄であるアマゾンはノーマル会員の送料無料基準を
2000円から3500円に変更し、事実上の送料値上げを行いました。
関連記事：アマゾン、非プライム会員の送料無料基準を2000円⇒3500円に変更へ。事実上の送料値上げ。3/29～。 | 節約速報

一方、ヨドバシは100円のボールペンから送料無料を続けていますが、それにはどういう理由があるのでしょうか。
プレジデント誌が解説しています。

100円以下のボールペンや電球1つでも送料無料
無機質な店舗の多いECでも、楽天市場のように店長の個性が魅力になっているところもありますし、活気のあった頃の百貨店や専門店での買い物は間違いなく、楽しい買い物でした。

一方、楽しくない買い物は、とにかく目的の商品が手に入ればよいというもの。そのために時間をかけたくない、できるだけ合理的にすませたい、と多くの人が考えるような買い物です。

ヨドバシ・ドット・コムでは、この“楽しくない買い物”にあたる品揃えを拡大し、加えて、日本全国どこでも送料無料のサービスにより、日常の利用を促し、次回の大物家電の購入につなげようとしています。

ヨドバシカメラの担当者の方も「ボールペン1本でも、電球1個でも、遠慮せずに利用してください」と、常々話しており、また、社員（契約、派遣を含む）が中心の配達スタッフも、どんな小さな荷物であっても、笑顔で届けてくれる印象です。

（中略）

当時、副社長だった藤沢氏は、エクスプレスメール便（現在のエクストリームサービス）を提供する狙いを次のように答えています。

「即日配送をすると配送会社に大きな負担がかかると言われますが、商品の受注後、早く届ければ、受け取ってもらえる確率が高い。商品を在庫として保管したり、再配達したりするコストを考えれば、即日配送でもメリットが出せる。店舗在庫の活用や、ピッキング、梱包こんぽうなどのオペレーションの効率化を図れば、トータルコストも抑えられます」
｢アマゾンへの対抗ではない｣から続いている…ヨドバシカメラが100円の電球を送料無料で即日配達する理由 だから｢自社社員による配送｣にもこだわる (6ページ目) | PRESIDENT Online（プレジデントオンライン）

理由、それは顧客接点の確保。

ヨドバシが送料無料を続ける理由、それは顧客接点の継続的確保です。
大型家電は一回買うと数年は使いますので、顧客が注文をしなくなり、接点が薄れます。
「つまらない日用品でも」無料配送をしていると、顧客との関係性が継続しますので、
また大型家電を注文してくれるだろう、というビジネスモデルです。

消費者から見ると、大型家電を買ってポイントを貯める⇒日用品でポイントを消費、というサイクルも
生まれますので、理にかなっているのかも。

作者が本当に言いたかったことは何か：

それにしても、結構この記事は前置きが長く、ビックカメラやヤマダ電機との売上や出店戦略の比較が
長々と書かれています。タイトルが「ヨドバシ送料無料の理由」となっているために読者はそう感じます。

この記事の作者である角井 亮一氏（イー・ロジット取締役会長）が本当に言いたかったことは、
ヨドバシ送料の理由ではないのではないか、もっとヨドバシの経営戦略全体を俯瞰したかったのではないか。
プレジデント誌が後付でキャッチーなタイトルを付けたのではないか、とも思います。
まぁプレジデント誌ですからね。

消費者はまとめ発注をしてもいいかも。しなくてもいいんだけど。

はてさて、アマゾンが送料値上げをする中、ヨドバシもヨドバシエクストリーム便で送料無料を
今後も継続するでしょうか。一応サービスとして無料ですので、ボールペン1本から気軽に注文出来ますが、
ドライバーや地球環境、消費されるガソリンのことを考えると、多少はまとめ買いした方が良いかも？

ま、そのへんは個人の判断ですし、管理人も本当に必要ならばそんなの関係ない、と
LANケーブル1本から注文しますけどね。もっとも、本当に緊急で必要ならば買いに行きますので、
地球と運ちゃんをいじめるような発注はしていませんが。

という訳で、日本企業のヨドバシカメラを応援したい人は、アマゾンで注文するばっかりではなく、
ヨドバシカメラでの発注を検討してみましょう。意外に安かったり、小回りが効いたりしますよ。