岸田首相、立憲民主党議員の質問に対して自社株買いのガイドラインに言及。日経平均株価はちょっと落ちる。

岸田首相、立憲民主党議員の質問に対して自社株買いのガイドラインに言及。日経平均株価はちょっと落ちる。

本日、日経平均株価が－207円、前日比マイナス0.73％となりました。
一時的には－300円を超える下落となりました。

理由は、立憲民主党の落合貴之氏が「企業が稼いだ利益を設備投資などに使わず、
自社株買いを通じた株価の押し上げに回すことを問題視」したことに対する答弁で、
「規制には慎重に考えるものの、ガイドラインなど何らかの指針を設ける可能性に
ついて言及したためです。

「自社株買いについてはそれぞれの企業判断に基づいて状況に応じて判断していく問題ではありますが、私自身、多様なステークホルダーを重視して持続可能な新しい資本主義を実現していくということから考えました時に、ご指摘の点は大変重要なポイントでもあると認識を致します」
「企業のさまざまな事情や判断がありますので、画一的に規制するということは少し慎重に考えなければいけないのではないか。個々の企業の事情などにも配慮したある程度の対応、例えばガイドラインとか、そういったことは考えられないだろうかということは思います」

2021/12/14 13:30
岸田首相の自社株買いガイドライン言及で日経平均下落 | 会社四季報オンライン

うーん、これは無能コンボ。立民銀員もアホなら、岸田首相も八方美人。
麻生大臣なら「お前自社株買いって何か知ってるか？勉強してこい」と一喝して終わりそうなものの、
そこは全員の顔を立てる岸田首相らしく、荒波を建てずに当たり障りのない答弁。

本人としては無難な答弁のつもりが、市場がかなりマイナスに反発してしまったのかも。

ただ岸田首相、今は買収されて、更に今まさに買収されかけている日本長銀（当時）に
入行していますので、直接金融の業界になにか恨みでもあるのかなぁ・・・
そのぐらい株価を下げよう、下げよう、という動きが伝わってきます。

それにしても企業の自社株買いをして株主にお金を還元することで、
何が悪いのだろうか。自社株買いをすることで投資を抑制し、成長の機会が限られる、
すなわち企業経営として投資機会が不足しているというのであれば、
そもそもその企業に未来はありません。

自社株買いをすることで、株価が上昇し、その企業は機動的に資金を調達しやすくなり、
成長を見込むことができると考えられます。

企業がどの程度成長の機会を持っているか（どういう市場環境に属しているか）、
どの程度の成長を見込んでいるか、で配当政策というのは大きく変わってくるでしょう。
この辺は大学のコーポレート・ファイナンスの講義の初級の教科書に書いてありますので、
興味ある人は読んでみてください。

それを一概に「規制しなければならない、かも？」ってアホか。
こんなの、相当議論しないとガイドラインも作れなさそう。無理無理。
そんなことより日本企業の低い利益率を上昇させる産業政策でも議論したほうが、
よっぽど建設的な気がします。

というわけで、先が思いやられるこの内閣、いつまで続くことやら。