【無慈悲】楽天、送料強制無料化を諦めていなかった。出店側は優越的地位の濫用で法的処置も検討中。

【無慈悲】楽天、送料強制無料化を諦めていなかった。失敗した昨年度と違うのは楽天と日本郵便が資本提携をしていること。

去年2020年2月、公正取引委員会が楽天の送料無料化に関して
「中小企業が楽天にいじめられて死んでしまう」ということで、2020/2/28付で緊急停止命令の
申し立てを東京地方裁判所に行い、楽天は外野（公取）からの攻撃を受け、
やむなく送料無料化を強引に進めることを中断していました。

さて三木谷氏は「そろそろほとぼりが冷めたかな？」ということで、改めて送料無料の強制化を
推し進めようとしていたようです。送料を出店側に押し付け、かつ楽天市場が送料無料で
わかりやすく消費者が買いやすくなるという、アマゾンへの対抗処置ですね。

なお、三木谷氏の野望は今回も楽天の店子側から反発を受け、報道関係者にばれ、
楽天側は「事前の周知が足りなかった」ということで送料無料化を一旦休止し、
7月1日に再開する旨を発表しています。

楽天グループによると、出店者が５月１０日以降に出店契約を変更する場合、対象店舗で３９８０円以上購入した利用者の送料負担を原則無料とする制度への参加を条件とした。しかし、義務化を事前に公表せず、契約変更の際に説明していたため、一部の出店者から問い合わせがあり、説明が不十分と判断。義務化を６月いっぱい「凍結」することを決めたという。

こちらは産経のニュース：

楽天は今年５月１０日、出店者が出店プランを変更する場合は制度の導入を義務化するように約款を変更した。楽天市場の出店者は、出品できる商品数などに応じて３段階の出店プランから選択して楽天と契約しており、出店者が事業の拡大や縮小をしようとすれば、送料無料制度に参加せざるを得なくなる。

https://www.sankeibiz.jp/business/news/210613/bsj2106130906002-n1.htm へのリンク

しれっと契約条件に「送料無料化」を追加し、店子になし崩し的に合意を図るという、
中国共産党的なノリで強引に推し進めようとしたところ、店子から思わぬ反発があったそうな。

優越的地位の濫用も：

有利な立場を利用して取引先に対して不当に不利益を与える行為は独禁法（優越的地位の乱用）にあたるほか、民法でも令和２年の法改正で約款を一方的に変更することは禁じられている。楽天ユニオンは出店者から聞き取りを行い、今後の対応を検討する。公正取引委員会も事態を把握しているとみられる。

という訳で、楽天ユニオン側は法的処置も踏まえて対応を検討しているそうな。

確かに世の中では、たまに事業者が有利な立場を利用して、値下げした見積もりを出させてなし崩し的に
契約更新を図ったり、値下げに応じないと契約打ち切りなどを脅迫してくることはしょっちゅうあります。

一旦契約に合意してしまうと、後から「事実上の脅迫だった、強制だった」と裁判所に訴えても、
（訴えるのもめんどくさいですが）、客観的にその契約が双方合意だったのか、
それとも強迫による意思表示だったのか、なかなか事実関係の証明は難しいです。

失敗した昨年度と違うのは楽天と日本郵便が資本提携をしていること。

はてさて楽天の送料無料化、簡単にうまくいくとは思えませんが、昨年度と違うのは
楽天と日本郵便が資本提携をしていること。
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楽天側が、楽天の店舗に対して、発送方法に日本郵便を利用することで割引を受けられたり、
発送数を事前に確約することでボリュームディスカウントを受けられるような制度を提示することで、
ある程度は店舗の反発を抑えられるかと。

送料無料化で店舗側も売上が伸び、利益が伸び、出展企業と楽天側が
ゴーイング・コンサーンであれば、別に条件付けなくても店舗側が勝手に送料無料化に
乗っかってくるでしょう。

楽天と店子で話し合い、双方の妥結点を見出して欲しいものです。
内輪で殴り合っても、巨大資本アマゾンには勝てませんよ。

アマゾンから見ると、小売や物流なんてAWS（アマゾン ウェブ サービス）の副業ですが、
楽天から見ると物販が本業ですからね。

という訳で、今後の推移を見守りましょう。