楽天モバイル、総務省会合でドコモ・ソフバン・auに強くプラチナバンドの割当を求め、各社に移行費用で1000億単位の負担を求める。こりゃ話がまとまらないわ。

楽天モバイル、総務省会合でドコモ・ソフバン・auに強くプラチナバンドの割当を求め、各社に移行費用で1000億単位の負担を求める。こりゃ話がまとまらないわ。

※本記事には一部管理人が理解できなかったニュースが含まれています。

総務省で8/30に行われた「携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関する
タスクフォース（第10回）」にて、楽天モバイルがプラチナバンドの再割当てを求め、
それらが既に割り当てられているNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクに対して吠えまくったそうな。
総務省｜デジタル変革時代の電波政策懇談会｜携帯電話用周波数の再割当てに係る円滑な移行に関するタスクフォース（第10回）

　議論の場では、楽天モバイルが同社へプラチナバンドと呼ばれる帯域のうち、800MHz・900MHz帯の一部を割り当てるよう求めたほか、1年以内のプラチナバンド利用開始を求めるなどの主張があった。

各社数百億～1000億円単位のコストに
　ドコモでは中継局交換にかかる費用を150億円、フィルター挿入で500億円、KDDIではそれぞれ257億円、650億円、ソフトバンクではフィルター挿入と中継局交換を合わせて550億円と見積もっている。

　さらに、帯域が減ることにより通信容量が低下し速度低下や同時接続可能なユーザー数の減少を招き、つながりづらくなることが懸念される。ソフトバンクからは公開されなかったが、ドコモとKDDIではこれらの容量増強に係る費用をそれぞれ500億円と150億円と見積もっている。
楽天モバイルが求めるプラチナバンド、携帯3社はどう反論したのか – ケータイ Watch

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが既存のプラチナバンドを楽天モバイルに開放するために、
3社は干渉を避けたりするため、基地局や中継局に改修工事を行わなくてはならず、
高出力レピータ（中継局）は12000局、小出力レピータは数十万台ほど全国に散らばっているそうな。

これらを楽天モバイルは「半年程度で交換可能」であり「1年以内に楽天モバイルが利用開始として欲しい」と
主張しています。

なんとなく素人考えですが、これちょっと無理筋では・・・
半年やら1年でそもそも半導体不足と物価高で、改造部品が手に入るか？
人件費高騰のこの世の中、基地局工事をする職人を手配できるのか？

なお、3社は5年～10年ほどの準備期間、移行期間が必要だと突っぱね、議論は平行線の模様。
楽天モバイル側は「移行期間10年は単なる時間稼ぎだ、根拠を出せ」と強く迫ったそうな。

楽天モバイル「費用負担（数百億～1000億）は3社が負担すべき」

なお、移行に係る費用としては各社ともに数百億～1000億円程度かかる見込みを提示していますが、
楽天モバイルはこれらの費用を既存免許人、つまり3社に負担求めるべきだ、と主張しています。

　今回提案の割譲は、10月の改正電波法の施行後の制度を利用し、終了促進措置を適用しないもので、使用期限後の原状回復は現在の免許人が負担することが妥当であり「なぜ楽天モバイルに費用負担を求めるのか、技術的・論理的にも理解できない」と主張。
楽天モバイル矢澤社長、総務省会合で強くプラチナバンド求める。他社に「時間稼ぎとしか思えない」 – ケータイ Watch

ここ、ちょっと管理人が理解できていないところ。

使用期限までに計画通り進行する場合／使用期限後の原状回復に係るものは既存免許人が負担、
改正電波法の施行にあたって使用期限まで3社が使用し、その後の原状回復？に基地局の改造が
該当するんか？ちょっと何を言っているのかよく分からないので、何が正しいのかよく分かりません。

改正電波法の関係で、使用期限より前に電波帯域を新事業者に明け渡す場合は
新規免許人（楽天モバイル）、使用期限通りに使う場合は既存免許人（3社）ということでしょうか。

改正電波法で3社のプラチナバンドの使用期限は既に設定されており、
楽天モバイルが使用することが既に決定されてるの？
だったらこんなに話はもめないだろうしなぁ・・・
改正電波法で「終了促進措置」という制度が出来るようですが、その話か？

期限を1年として、期限通りに明け渡せ、終了促進措置は使わない、
だから金は3社で負担せよ、ということでしょうか。

3社からすると「そりゃないよ」という内容でしょう。

3社「新しいプラチナバンド割り当ててビジネスする楽天モバイルが費用負担をすべき」

　しかし、一方で3社の見解は基本的に、新免許人となる楽天モバイルが負担すべき費用である旨が主張されている。ドコモでは「狭くなった（縮退した）帯域を使ってサービスを提供し続ける既存事業者が、再割当てに係る費用を負担することは妥当ではない」、KDDIでも「開設指針が策定され、既存免許人が利用中の周波数を新規免許人が利用する場合は、移行費用を新規免許人が負担することが適当」とした。

　ソフトバンクも「周波数利用停止を前倒しする場合、従来の終了促進措置と同様に原則新規事業者負担」としつつ「新旧事業者間での交渉の範囲に属する」とも付け加えている。

そりゃ3社から見ると、「なんでプラチナバンドの一部を譲渡し、さらに数百億～1000億を支払い、
ユーザーには通信が遅くなったり繋がりにくくなる不便を強いなきゃならんのだ」となるでしょう。
そんな決断をしたら、間違いなく株主代表訴訟に発展しますよ。

3社から見ると、新しい帯域を獲得して、その帯域で新しくビジネスをする会社（楽天モバイル）が
費用負担をすべき、と思うでしょうね。

一方楽天モバイルは、

　加えて、すでに多くの利益を挙げている3社に対して「3社合計で35兆8000億円の営業利益を出している。3社の多大な努力で出された利益なのでこれについて言う立場にはないが、すでに大きな利益を挙げている。この状況で赤字の楽天モバイルに対して費用負担を求めるのは制度的にも全くおかしな話。1ミリも納得できない」ともコメントした。
楽天モバイル矢澤社長、総務省会合で強くプラチナバンド求める。他社に「時間稼ぎとしか思えない」 – ケータイ Watch

とのこと。いや、既に儲けた利益は関係ないのでは？それもプラチナバンドがあったからの利益ではなく、
グループ全体の連結での純利益でしょ？
逆に大赤字をぶっこいてたら、楽天モバイルが費用負担をすべきなのか？そうはならんだろう。

という訳で総務省でのこの議論は相当に紛糾した模様。

会議に参加した楽天モバイル代表取締役社長の矢澤俊介氏も相当アクが強そうだな・・・
まぁミキティーから「絶対に引くな、各社からプラチナバンドをもぎ取ってこい」と言われてるんでしょう。

楽天モバイル「日本の将来に向け、プラチナバンドをくれ」

楽天モバイルは日本の将来を憂い、楽天モバイルにプラチナバンドが割り当てられないと
次のことが起きるとしています。
・新規参入事業者が育たず3社の寡占が続き、国民への利益還元が困難。
・日本の国際競争力に影響、日本再興の機会を逸失。

楽天モバイルがプラチナバンドの割当てを受ければ、携帯市場の民主化を加速させることが出来る、
日本の国際競争力を高めることが当社の使命、とのこと。

少なくとも自社ユーザーの利益還元は最近はあまり考えておらず、黒字化することばっかり
念頭に置くようになってきている楽天モバイルがこのセリフを言っても、
そこまで説得力はないでしょう。

それに楽天モバイルはソフトバンクから基地局に関する情報を産業スパイした疑惑で、
楽天モバイルの社員が逮捕されていますしね。
スパイするやつに国際競争力ガーと言われても、何言ってるんだこいつは状態。
楽天｢転職元の機密流出で社員逮捕｣仰天の弁明 | 災害･事件･裁判 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

このタスクフォースの議論を見る限り、どうやら話はまとまりそうになく、
楽天モバイルが1年以内にプラチナバンドを割り当てられて事業展開するのは、
夢のまた夢になりそうです。