※2016年11月20日:Gigazineで触れられていなかった、「第2のグラフ」に言及し、
どのメーカーのどのモデルが故障率が低く、おすすめなのかを追記ました。
日本語記事はギガジンを参照してください。
http://gigazine.net/news/20161116-backblaze-hdd-stats-q3-2016/
ギガジン側でも色々書かれていますが、Seagate(海門)はいろいろ鬼門と言われているものの、
Western Digitalでも壊れるときは壊れるということがわかります。
ネット上の情報でも、いろんなメーカーの信者が暴れまくっているので、
正直何がいいのかよく分からない状態ですね。
管理人、このブラフを見ると、やっぱりHGST(日立系、今はWDに統合)がいいのかな、と。
東芝は採用数少なすぎてなんとも言えないのが現状です。
一方、Seagateも採用数の割にそこまで故障していないので、意外と行けるね、と思います。
結局、HDDは回転体で消耗品です。メーカーごとでギャーギャー喚いている暇があったら、
RAID組むなりバックアップするなりで対処したほうが建設的かも。
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価格コムで8250円、楽天で8180円と楽天のほうが安い珍しい状態。
HDDに求めるのはスピードではなく安価なストレージということで、回転速度(RPM)も
7200や10000よりは5400ぐらいがお手頃かも。スピード求めるならばぶっちぎりでSSDですしね。
Backblazeのソースにはいろいろ良いことが英語で書いて有りそうな気がしますので、
また時間がある時に精読して追記したいと思います。
Gigazineで触れられていなかった「第2のグラフ」について:
Gigazineはリンク先冒頭の2016/1/1~2016/9/30までの故障率データのグラフについて、
翻訳しているようですが、そのページ下の方に、2013/10/10~2016/9/30までの、
Cumulative Hard Drive Failure Rates(HDD累積故障率)のチャートが記載されています。
よりサンプルサイズを広げて、長期的な傾向を把握するためには、ギガジンが解説した
第1のグラフだけを見るのでは不十分です。
2013/10/10~2016/9/30までの、
Cumulative Hard Drive Failure Rates(HDD累積故障率)
※Confidence Interval:信頼区間のこと。
例えば一番下のSeagate ST8000DM002はAnnualized Failure Rate1.6%、Low0.9%、High2.5%と
なっていますが、これは(分析した結果)故障率1.6%、信頼区間0.9%~2.5%、ということ。
信頼区間の意味は統計学の考え方でいろいろありますが、
「信用水準95%でシーゲートのこのモデルの故障率の真の値は、0.9%~2.5%である」と
考えておけば、おおよそ問題ありません。
※信頼水準の値が90%なのか95%なのか99%なのか、元データを見てないのでなんとも言えませんが、
慣用的におそらく95%を使用しているのでしょう。気にならない人は、このセンテンスを
読み飛ばしてください。
信頼区間ってどういうことかと言うと、例えばWDCの2TBモデル、WD20EFRXは
LowとHighが高く、特にHighが13.6%と非常に高くなっています。
これは非常に壊れやすいという意味ではなく、DriveDays(HDD台数×稼働時間)が少ないため、
統計的にブレ幅が大きくなっている、という意味です。
逆に、Seagateの4TBモデル、ST4000DM000はLow2.8%、High3.0%と一番幅が小さく、
「信用水準95%でシーゲートのこのモデルの故障率の真の値は、2.8%~3.0%である」と言えます。
わかりやすく言い直すと、3年間使ってると2.8%~3.0%の割合で壊れる、という意味です。
管理人も統計学は素人ですので、統計的に若干意味が異なる記述をしているかもしれませんが、
ご了承願います。
どこのメーカーを選ぶべきか:HGST、東芝、WDC、Seagateのどれか?
以上の分析から、我々はどのメーカーのどのモデルのHDDを選ぶべきでしょうか。
非常に難しい質問ですが、読者が気になるのはそこでしょう。
結論として、Annualized Failure Rateが低く、かつConfidence Intervalの乖離が低い機種が
望ましいです。仮にAnnualized Failure Rateが低くても、Confidence Intervalの乖離が高いのは、
稼働実績が少なく、今はたまたま故障していないだけだ、と言えるでしょう。
その意味を加味して、ちょっと表に節約速報なりに書き加えました。
青色が信頼性が高いHDD、赤色が信頼性が低いHDDである、というのが節約速報の分析です。
特に真ん中のHGSTの4TBモデル、①HMS5C4040BLE640、②HMS5C4040ALE640
③HMS5C4040BLE630が、Annualized Failure Rateが低く、かつConfidence Intervalの乖離が低い、
極めて信頼性が高いモデルです。
Seagateの6TB(ST6000DX000)、8TB(ST8000DM002)も、そこそこいい値を出しているのではないでしょうか。
逆に、避けるべき地雷はWDCの2TB(WD20EFRX)ですね。まぁこれはパット見やばいので、
近づかないようにしましょう。
次に地雷なのは、HGSTの8TBモデル(HUH728080ALE600)です。
Annualized Failure Rateは2.7%と比較的低いものの、Confidence IntervalがLow0.3%、High9.8%と
乖離が大きく、あまり信用できるほどデータが集まっていない(稼働時間が短い)ことを
示しています。Gigazineが解説した第一の表では、8TBモデルのHGSTにおいては故障率0%、
Seagateが1.46%となっていたので、「やっぱり海門は糞」という結論を懐きかねないのですが、
累積故障率と信頼区間を詳細に分析すると、8TBモデルにおいて結果が逆になるので、
敢えて言及させて頂きました。
それにしてもGigazineの解説も中途半端ですな・・・「8TBで壊れにくいHDDメーカーとモデルは何?」と
ググッた結果でGigazineの解説だけを鵜呑みにすると、壊れやすいHGSTを買ってしまうやろ・・・
Gigazineは日本の(少なくともアクセス数は)TOPブログサイトという自覚を持って、
真摯に解説していただきたいと思いました。まぁ節約速報みたいな弱小ブログが
ギガジン様に意見するなんておこがましいことですけどね。
HGST、東芝、WDC、Seagate、どれでも逝く時は逝く:
表を赤と青で塗っていて気が付きましたが、巷で言われているほどメーカー差はなく、
モデル差のほうが遥かに大きいと思います。
HGST、東芝、WDC、Seagate、どれでも逝く時は逝きますね。
ある程度稼働して故障しないHDDなんて無いのです。やっぱりバックアップは必須です。
さて、じゃあこの記事を参考にしてHGSTの4TBのHDDでも買うか、となった読者の皆様、
最後になりましたが、すいませんが、このHDD現行品じゃないんです。市場にもう売っていません。
ここまで読ませといてなんだその結論は舐めているのかゆとりまんボケナス、と言われそうですが、
ざっとググった感じでは取扱が無いんです。
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HGST 0S03667 (4TB/SATA) |
HGSTの4TBモデルは、ちょっとコスパがよろしくないものの、0S03667 [4TB SATA600 7200]が
17200円、価格コム売れ筋ランキングNo16として現行品ですので、
まぁ同じような信頼性だと仮定してポチってみましょう。
HGSTもWDに買収されましたし、これから製造されるHDDの故障率は大幅に変わってくるでしょう。
HGSTの技術とWDの技術のシナジーが起きて、信頼性が更に高いHDDが出来るかもしれませんし、
社内紛争でぐちゃぐちゃになって、日本のメガバンクのシステム開発みたいに、
サグラダファミリアみたいな、うず高く積み上げたクソのようなHDDが出来るかも。
壊れやすさも大事だけど、実は騒音がまずはじめにチェックするべきポイントだったりする。
ガリガリうるさいとそもそもオフィスでも使用をためらうレベル。家で「うるさい」と家族に怒られてしまった。
ちなみに今までに経験した騒音HDDは
東芝(60GB2.5インチと4TB3.5インチ)
HGST(2TB3.5インチ(その後FirmwareアップデートでAAMを使えなくする暴挙に出た)
ただ、製造会社うんぬんよりは型番よって煩いか否かが変わってくる。
それと結構、負の口コミはアテになると実感している。特に使用者の怨念を感じるものは。
訂正:
X その後FirmwareアップデートでAAMを使えなくする暴挙に出た)
O その後FirmwareアップデートでAAMを使えなくする暴挙に出た「らしい」)
怖かったので当方はFirmwareアップデートを実施して試していません。