UQコミュニケーションズに賠償命令。ギガ放題は嘘だった。実際には速度制限が実施。賠償金は2万円。
※2019/6/7:最高裁が会社側の上告を受理せず、消費者の勝利が確定。
UQコミュニケーションズと通信サービスの販売代理店「ラネット」側の上告を受理しないと決定。
「通信速度が高速であり通信料を自主規制する必要もないと誤解させる内容の広告表示を行った」として
会社側に21,239円の賠償金支払いを命令し、東京高裁での判決が確定しました。
一番大事なことを一番小さな文字で分かりづらく書くのがまかり通っているこの業界、
何とかして欲しいところです。
広告は「ギガ放題」なのに「速度制限」、UQ側の賠償確定 代理人「業界全体の問題」(弁護士ドットコム) – Yahoo!ニュース
以下、当時の記事:
元々ギガ放題はデータ通信量の制限なく、使い放題と誤認できるような広告を行い、
その下に非常に小さい文字で見づらく、「※直近3日間で10GB超えると帯域制限するで」と広告表示されていました。
報道発表によると、「広告とは異なるサービス提供が行われ、実際には通信制限があった。
よって賠償金2万円あまりをUQは訴えた消費者側に払うこと」との判決が2018/4/18に出されました。
また、東京高等裁判所の野山宏裁判長が次の通り判決文を出しています。
当時の広告は速度制限について豆粒のように小さな字で目立たない場所に記載していた。また、契約の際に十分な説明もなかった。
とのことです。
支払うよう判決の出た慰謝料は2万円とのこと。雀の涙かな?
現状の広告表示はどうか。
公式ページは上の画像のとおりです。ポ○キッキーズの箇所は一応モザイクにしておきました。
どう見ても明確に速度制限の表示がされています。
混雑回避のための速度制限(3日間で10GB以上利用時)があります。
ハイスピードプラスエリアモードで通信速度制限(月間7GB超)が適用された後は、
ハイスピードモードの「WiMAX 2+」通信もその制限対象となります。
これを見逃すやつはいないと言いますが、これだけ表示されていたら消費者側に責任がありますね。
とは言え、上部の「月間データ量上限なし」の表現とは大いなる矛盾が存在していますので、
表記の改善が望まれます。
ただ、裁判長が「当時の広告は豆粒表示だった」と言っているので、おそらくUQ側が裁判になった時点で、
広告の差し替えを行ったのでしょう。
ちなみにWebArchiveサービスで2017年6月4日時点のログを見つけましたが、既に現状の表記になっています。
UQ Flatツープラス ギガ放題(3年)|UQWiMAX|超高速モバイルインターネットWiMAX2+
出来れば争点となった広告表示を確認のためにUQ公式で豆粒表示として見たかったところです。
未だ残る代理店、プロパイダの広告:
UQ WiMAXは各種販売代理店やプロパイダを経由しての申込みも受け付けており、
それらの代理店、プロパイダ側に問題となりそうな広告表示が残っています。
現時点における広告例はこんな感じ。さて、問題となる「10GB3日間制限」はどこに書かれているでしょうか。
答えは左下。実測は3-4mmかと。確かにこれは読みづらい。
裁判長、あなたは豆粒と言いましたが、どう見てもこれ米粒ですよ?
確かにこれは消費者側に情状酌量の余地があるかと。
「通信制限とはおさらば!ネットが定額使い放題!※」の見出しをしておいて、
左下に3分の1のフォントで「※制限しまぁす」は問題のある表記だ、と裁判で認められたのは、
至極当然かと。
なお、この販売ページには現時点で次の通りの赤文字が表示されています。
誠に勝手ながら4月21日に弊社にてシステム更新を実施するため、当日は出荷および店舗受取対応を休止致します。
おそらく慌ててWeb作成の外注会社と調整し、問題となる広告表記を削除するのでしょう。
Web作成代行会社はギガ放題の特需で広告を書き換え放題(土曜日、休日出勤、サビ残あり)
となっているかもしれません。土曜日だと言うのにお疲れ様です。
3日間で10GB制限の妥当性:
実際には3日間で10GB制限ということは、30日間で100GB制限ということになります。
3日で10GBも使わないよ、という人もいるかも知れませんが、それは人の運用次第で大いに変わります。
複数台のWindowsアップデート+4K動画を視聴すると行きそうですし、
最近は楽天のページも1ページあたり十数メガとリッチコンテンツ化してきているため、
通信量はそこそこ膨大です。ちなみに管理人のちょっとしたパソコンによるWebサーフィンは、
月22GBとのこと。Steamでゲームのダウンロード&プレイを行うと、10GBには楽に到達しそうです。
WiMAXの売り方は「固定回線の代替回線として」だった:
元々UQはWiMAX、WiMAX2+を「固定回線の代わりにどうぞ、光ファイバーから乗り換えると、
インセンティブを払うよ、セットでPCを安くしとくよ」という売り方で売っていました。
そういう売り方だったので、消費者も「使いまくったろ」「制限なしやろ」と注意書きをよく読まずに契約し、
売る側も「3日間10GB制限を目立つように書いたら売れ行きが落ちるから、小さく見づらく書いたろ」と
売りまくり、結果として業を煮やした消費者側が訴えることになりました。
その結果、賠償金は2万円とのこと。1人当たりは安い金額ですが、大量のユーザーがUQ側に返金や
賠償金を求めて殺到するとエライことになりますが、UQ側もブランドイメージに傷がつくので、
これ以上の深追い(控訴)はしないかと。
個人対個人の場合は徹底的に懲罰した方が良い場合もありますけどね。コピーブログとの対決とか。
今後の消費者と事業体に求められること:
という訳で、消費者側も今後は注意書きをよく読む必要がありますし、事業者側も消費者に不利となる
契約条件や履行条件は、分かりやすく表示したり、契約時に明確に説明し、サインさせることが求められます。
ただ、業界として「一番大事なことは一番小さく、分かりづらく書く(auの広告表記問題)」が
まかり通っているので、業界自体の浄化が求められるかと。
携帯電話のプランそのものが、消費者に分かりづらく設計され、
いわゆる情報弱者から出来る限りだまし取ろうという意図のもと販売されていますからね。
消費者としては、一層の注意と、契約したときの広告や説明を記録しておくことが求められます。
そうすると、後々裁判になったときも、エビデンス(証拠)として提出し、自分の有利な方向に
物事を進められますからね。
ただ、注意書きさえよく読み、そのサービスが自分と一致すると判断できたならば、
WiMAXもいいサービスだと思いますけどね。ヘビーユーザーで無ければ、家とモバイル回線を共通化し、
支払いを低減できますし。重要なのは、落とし穴がないかよく読むこと、これは古今東西変わらない、
消費者に求められる普遍の真理です。
2015年当時は今より速度規制は容量も規制後の速度も厳しく、広告も※が小さくあるだけという状況でした。さらに実際に通信できるエリアも狭かった。
それでそこそこ炎上したんですね。
https://iphone-mania.jp/news-79652/
このブログの読者は騙し騙されを楽しみたい人が多いでしょうからいいですが、量販店でガンガンに攻めた営業してたので反感買ったんでしょうね。
5Gが一般的になれば、「速度制限?うわっ懐かしいぃ」って言うようになる時代が来るのかも