パナソニック・日立「高額家電は値引きしないぞ」、2社が進める「指定価格制度」と、白物家電の「アップル」化とは。
パナソニックは白物家電において「値下げしない」という強気の価格設定、売値交渉で
シェアを伸ばしているのは家電量販店に出入りしているとなんとなく感じていましたが、
「指定価格制度」というものが導入されているのでご紹介。
指定価格制度とは、メーカーが指定した価格で販売を行ない、店舗主導による値下げや在庫処分時の値引き販売ができなくなる一方で、メーカーは販売店の在庫リスクについて責任を持ち、売れ残った商品の返品も可能にする仕組みだ。返品を可能にしていることから、メーカーが販売価格を決定することを禁止する独占禁止法には抵触しない。
パナソニックが先行し、日立も導入開始
パナソニックが2020年度から、ナノケアドライヤーやドラム式洗濯乾燥機で試験的な運用を開始し、2022年度には対象商品を拡大。現時点で、国内白物家電の約3割が指定価格制度による販売となっている。先行したドラム式洗濯乾燥機では、販売金額の約8割が指定価格による販売だという。2024年度には、白物家電全体で5割にまで引き上げる計画だ。
高額家電は値引き不可? パナ・日立が進める「指定価格制度」とはなにか – Impress Watch
パナソニックと日立は、消費者から見ると価格が硬直し、高止まりする「指定価格制度」を
広く白物家電全般に導入していく方針とのこと。
では、メーカー、販売店、消費者にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
メリット:
メーカー:
値崩れやマイナーチェンジによる利益圧迫を防ぎ、経営の安定化や開発投資の振り向けができる。競争力のある商品を出し続けることで、顧客満足度やシェアを高めることができる。
販売店:
メーカーが販売店の在庫リスクについて責任を持つため、店舗側は在庫管理に関するコストやリスクを抑えられる。売れ残った商品の返品が可能なため、メーカー側は在庫処分時の損失を抑えられる。価格訴求ではなく、製品の価値訴求や接客力やアフターサービスに注力でき、収益性を高めることができる。
消費者:
値引き交渉の手間や複数店舗の比較が不要になり、自分に合った店舗を選択できる。高付加価値商品を適正な価格で購入できる安心感と信頼感を得られる。
デメリット:
メーカー:
市場価格の変動に追随できにくくなり、指定価格制度を導入していない競合他社にシェアを奪われやすくなる。競争力のない商品は目論見通りにいかない可能性がある。
販売店:
店舗主導による値下げや在庫処分時の値引き販売ができなくなる。
どの店舗に行っても同一の価格で購入できるため、ショールーム化してしまう可能性がある。商品力やサービス力で差別化することが求められる。
消費者:
値引き交渉ができなくなり、特別価格では購入できなくなる。発売時の価格から下がらない場合もある。
白物家電の「アップル」化とは:
色々と消費者にデメリットもありますが、メリットもあります。
管理人が思うメリットは、価格が下がりづらいことでしょうか。これは買う時には痛みが伴うものの、
逆に考えると、今後の値下がりが見込めないため、欲しい時が買い時、とも言えます。
高額家電が買った途端に値下がりしていると、文句の一つも言いたくなりますからね。
ドラム式洗濯機のモデルチェンジは毎年10月頃と決まっています。
ならばそれを見越して購入したり、貯金したりすることも可能です。
また、新品価格が値下がりにくいということは、安定した中古市場とリセールバリューが形成されることを指します。
ドラム式洗濯機などの大物家電がホイホイと中古で売買されることは想像しづらいのですが、
もう少し小さめの家電であれば、個人がメルカリで買ったり売ったりすることも可能です。
逆に、新品価格が常に値下がり傾向であれば、本来中古市場で買ってもいいかな、と思っていた人が、
「もう少し待って値下がりした新品を買おう」と思うかも知れません。それは、経済全体の機会損失にも
繋がります。
つまり、白物家電の新品価格が安定し、アップル社のアイフォンやMacのような扱いになることで、
高いリセールバリューが安定し、消費者は新品も中古も安心して買えるようになるわけです。
これは、パナソニックが自社の白物家電に絶対の自信を持っているからこそ出来る、
マーケティング戦略です。
とは言え、新品は常に高い価格が形成され、貧乏人は手を出しづらくなる、という弊害が残ります。
バルミューダのようなどうでもいいおしゃれメーカーが気取って「指定価格制度」を導入するのは、
勝手にやってね、俺はそんなことに価値を見出さないから、と思いますが、
生活必需品となりつつあるパナソニックのドラム式洗濯機や食器洗い乾燥機が
この制度を導入して価格が高止まりするのは、弊害が多いですね。
さて、この「指定価格制度」という販売戦略が社会全体にプラスの影響を与える条件としては、
安売りを仕掛けるプレイヤーも市場に存在していることが挙げられます。
アイリスオーヤマの存在:
パナソニックや日立の白物家電がアップル扱いになるのは良いとして、そういう売り方を良しとしない
メーカーの存在が不可欠です。そのメーカーは、価格はパナソニックや日立未満で、
だんだん値下がりしたり、突如として在庫処分セールが行われるのを容認するメーカーです。
機能やデザインや保証は一流とは言わないまでも、1.5流ぐらいは十分満たせる、そんなメーカーの
存在が必要不可欠です。そう、アイリスオーヤマのような存在です。
そうした多種多様なメーカーが色々な売り方と競争をすることで、消費者には選択肢が生まれ、
生活がより豊かになるでしょう。
(もっとも、管理人は安物ヒーター式のドラム式洗濯機は買おうとは思いませんけどね。
高いランニングコスト、高い室温、衣類の痛みなど。)
スマホで言うと、世の中全部Appleのアイフォンだと、ちょっと困りますよね。
かと言って、全部が全部中華製の二束三文Androidだと、それも困っちゃいます。
豊かな社会には、健全な市場での健全な競争と、豊富な選択肢が必要なわけです。
最後唐突にキャンペーンの紹介始まるの草
そうなんだ
じゃあ僕はハイアール買うね!
ちゃんと大手家電量販店で買えばハズレ品を引くこともないから意外に良かったりする
なんでか最後IDAREになっとる〜。でも面白い記事でした。いつもありがとうございます。
ちょっとミスってました
がんばって長文記事作ったね。
いい子、いい子(ナデナデ)
まだまだ国内消費者にも日本製信者はいるだろうから、最初の一歩はうまくいきそう。
あとはその収益をしっかりと技術者優遇に回して欲しい。
機械製品は外貨の稼ぎ頭なんだし、日本がまた裕福な国になるカギだろうから。
•のびのびと研究開発できる環境
•技術に見合った報酬
•休暇
全てが中国に負けてる上に技術者をわざわざ解雇してきた日本メーカーの黒歴史を塗り替えてくれ。
昔はメーカー希望小売り価格ってのがあって
それを基準に販売店は値引き販売してた
仕入れ価格<メーカー希望小売価格だから
値引きしても販売店もメーカーも利益が出る仕組みになってた
いつからかオープン価格となり値引きの基準が無くなって
仕入価格についても販売店からの圧力で下げざるを得ない事態に
昔に戻ってメーカー希望小売価格を復活させればいいんだよ
販売店もメーカーも損しない。
基準が明示されることで客側も幾ら値引きされてるか分かりやすい
最後の一文がナイスです
ランニングコストはともかく、ここの住人は傷んで困る服は着てなさそう
白物家電の王様扱いされてた大昔の栄光に縋りついてるの多いけど
海外製品丸パクリして従業員にまともに給料出さないで
無理やり低コスト化して安売りしてただけだからな