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コロナ接触確認アプリ「COCOA」サービス停止へ。総事業費13億円。意味あったか?IT業界多重下請け構造のあるあるのお話。

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コロナ接触確認アプリ「COCOA」サービス停止へ。総事業費13億円。意味あったか?IT業界多重下請け構造のあるあるのお話。

すれちがい通信アプリのCOCOA(ココア)ですが、トラブル続きで動いているのか動いていないのか
さっぱり不明でしたし、感染者と一定時間同じ空間を過ごした一週間後ぐらいに通知が来て
「何の意味もないやんこれ」と思っていましたが、ついに機能停止です。

 河野太郎デジタル相は13日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスの接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の機能を停止する考えを明らかにした。感染者の「全数把握」が簡略化されることに伴い、運用する必要性がなくなったと判断した。運用を巡ってはトラブルが多発したため、政府は今後、ココアの問題点を検証し、感染症のパンデミック(世界的大流行)が起きた際の教訓にしたい考えだ。
河野氏、COCOA「運用の必要性なし」と判断 不具合多発の末に | 毎日新聞

ちなみに総事業費は13億円だったそうな。さて、その効果はあったのでしょうか?
感染予防に一役買えたのでしょうか?
公共事業はバリューフォーマネーの観点から評価されなければなりません。

目次

開発当初の業務委託体制の流れ:再委託率94%

ちなみに開発当初の業務委託体制の流れはこちら。

画像引用元:
COCOA開発受注企業が事業費94%を3社に再委託、さらに2社に…不具合の原因企業「分からない」:東京新聞 TOKYO Web

パーソルがプライム企業として請け負って、日本マイクロソフト、MTI、フィクサーに再委託されます。
プロジェクトというものは大体人材派遣会社か大手ITベンダーが受注し、再委託するという
いつものあるあるですね。

分業するのは当たり前:

高度に分業化した社会では、一つの会社で全て完結してプロジェクトを成功裏に導く、というのは不可能で、
例えば陸上自衛隊の戦車1台を作るためにも1000社以上のサプライチェーンが裏で動いています。
どれか一社でも欠けるとサプライチェーンに混乱が生じ、最終的にはエンドユーザーの運用に
支障が出るというわけ。

なので、IT業界も同様で、要件定義、工程管理、コーディング、テスト、ドキュメント作成、保守は
大規模プロジェクトになるに連れて高度に分業、分社化されていくのが普通です。
一つの巨大な会社で全てを賄うことも理論的には可能ですが、そうなるとコストが膨大となり、
あまりにも非効率なソフトウェア産業となり、何も生み出せない図体がデカいだけの木偶となるでしょう。

建前と現実:

分業化、再委託制度は建前上は総コストを抑え、各社の得意とする分野を持ち寄り、
そこにプライム企業がプロジェクト全体と対官・顧客調整を総括し、プロジェクトを成功させる、
という名目があります。まぁ実態は複数社が入り乱れて開発線表がぐちゃぐちゃになったり、
開発要員が逃げたり増えたり、その都度従事者名簿を更新したり出来ていなかったり、
情報セキュリティ事故が起きたり、トラブルが起きてもベンダーを跨った箇所だと原因究明に
時間を要し、更に責任のなすりつけ合いが始まったり、というのがみずほ銀行並びにその他
大規模プロジェクトで観測されたことです。

中抜き禁止、再委託禁止、とか言う馬鹿:

こういう建前と現実を何も知らずに「中抜きガー(そもそも意味違うし)」とか「お友達企業ガー」とか
「再委託禁止!」とか言う人がいますが、「こいつなーんも知らないんだな、アホらしい」と
相手にするのも時間の無駄、ということになります。

本当に何もしないでただ丸投げするような企業が商流に紛れ込むことは
(開発がろくに進まないので通常は)ありませんが、
世の中には偶にそういう事例もあるそうな。まぁそんな例を取り上げてばっかりでも話は進まず、
業界全体で最適化を図ったほうがいい。まぁ企業間の関係で取引口座がなかったりすると、
間に一社加えて、というのがあったりなかったり、ですが。

さて、複数会社のコンソーシアム型プロジェクトだと、各社ともに自社のコストに加えて
一定のマージン率を「管理費」などの名目で見積もりに載せてコストプラス方式で
価格を決定する場合が多いです。

見積もりの精査とか、無理なんだよね:

また、技術者単金(技術者が働いたときに1時間あたりいくらのお金が掛かるのか)も
各ソフトハウスともに設定方法、根底となる考え方がバラバラで、
一応、一般財団法人 経済調査会が積算資料ということで毎年企業規模・開発規模ごとに
単金の目安となる指標は出していますが、あれもあてにならないのは有名な話。

そんなこんなで、見積もりを出された側も各社の見積もり工数すらはっきり査定できないのに、
技術者単金の精査なんてできるはずもなく、また説明する営業側もそんな企業の財務会計と
連動した話もできるはずもなく、「去年これぐらいでしたので、今年もこれでお願いします」
「ちょっと負けてよ」「しょうがないですね。。。」という塩梅で価格が決まっていくのが業界の商慣行です。

もう少し効率的な方法もあるだろう、と誰しも思っているとは思いますが、
誰もその解決策が生み出せない、そんなIT業界多重下請け構造のお話でした。


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ま、なんのかんの言っても、結局は”悪事がバレないならやる”ってとこまで日本人は落ちてしまったってことだね
やってることは無人販売所泥棒やオリンピック贈収賄と一緒
軽犯罪が増えたり民度が落ちるのは国が衰退してる証拠だから、本当になんとかしなきゃならない
国策が”羽振りの良いカモ”扱いされてる社会はマズイぜ

物事は結果が全て。
それで考えるとCOCOAはダメアプリでした。
金をかけて作ってもダメ、検証、修正、高度化もできないダメ。
そもそもチェックができないダメ、デジタル庁?何してる?
全部ダメでした。
グーグル、アップルは自社で大方開発し最終まで完成させ、チェック修正もできてる。
TSMCもそうだね。
それらと比べると、政府行政の仕事の結果は最悪としか思えない。

結果論で見ると期待された効果は発揮されなかったが、この手の問題で一番危険なのは「ほれ見たことか、無駄だったじゃないか」で片付けること。
ここやヤフコメの意見もそうだけど、なぜダメだったのか、どこを改善すればいいのかには言及できず陰謀じみた意見や頓珍漢な意見が多く、それに政府・行政が引っ張られると革新的な発想はいつまでも生まれない。
このニュースを見て、どれだけの人が会計検査院の検査報告を見ただろうか?
こういう意見がのさばると結果的にどうなるかというと現場が委縮して毒にも薬にもならないアイデアばかりになるだけ。

ほんとそれ
研究開発なんてトライアンドエラーが常識なのに、それが理解できない日本人の方が声が大きくて困る
AppleやGoogleですら開発費が回収不可にまで膨れ、頓挫しても彼らはそれが無駄とは考えないんだよね

人材派遣会社が案件取って来て、素人が作った雛形と一緒に大手ITに丸投げして、申し訳程度に機能つけたら動いてた機能もまとめて停止して、原因不明だから対応もできないって発表して
この流れって頑張った結果の失敗なのか?
それに失敗してもAppleやGoogleは自社内の話だけど、cocoaは税金だぞ?
比較対象として適切とは思えないんだよな

流れ図が全体だとしたら民間だと当たり前、と言うよりシンプルすぎるくらいかも
設計費なんて大手ほど言い値だから自社査定もほぼ不可能だし

数百人の命を救った素晴らしい医師(灘高卒)!この医師10年後に神と崇められることだろう。ただ、せっかく助かったのに抗体値が低いといって再接種を受けてしまった情弱もいるらしいw
↓↓↓
ワクチン接種 偽装疑いの医師 “生理食塩水 打ったことも”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220914/k10013817941000.html

台湾なんかは上手くやってたみたいだし素直に見習えばいいんじゃないでしょうか
理想を言えばビッグテックが日本から生まれてこういう時に協力してくれればいいんだけども

ここの管理人COCOAめっちゃ擁護してたよね。案の定ポシャったら顔面真っ赤にして長文で言い訳w、恥ずかしいしキモいよw

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