平井大臣のNEC恫喝の背後には懇意にしている会社への参入を指示か。優越的地位の濫用と官製談合の疑いの役満へ。
NECに死んでも発注しない発言で一躍時の人となった平井卓也デジタル改革担当相ですが、
その発言の裏には官製談合防止法違反の疑いがある、と報道されています。
東京五輪向けアプリの事業費削減を巡り、平井卓也デジタル改革担当相(63)が内閣官房IT総合戦略室の会議で同室の幹部らに対し、請負先企業のNECを「完全に干す」「脅しておいた方がいい」などと指示していた問題。平井氏が同じ会議の場で、デジタル庁が発注予定の事業に、自身と近い関係にあるベンチャー企業を参加させるよう求める発言をしていたことが、「週刊文春」が入手した音声データでわかった。発注機関の責任者である大臣のこの発言は、官製談合防止法に違反する疑いがある。
【新音声入手】親密企業の参入を指示 平井卓也デジタル相に官製談合防止法違反の疑い(文春オンライン) – Yahoo!ニュース
具体的な発言としては、
平井「デジタル庁の入退室管理と、アクセスのね。それはさ、もう新しいシステムを実験的に入れてくれてもいい。松尾先生に言って一緒にやっちゃってもいいよ」
幹部「あっ」
平井「彼が抱えているベンチャー。ベンチャーでもないな、ACES(エーシーズ)。そこの顔認証、はっきり言ってNECより全然いい部分がある。だから聞いて。もうどこから撮ったっていけるし、速い。アルゴリズムがとっても優秀」
この幹部の「あっ」が何を意味するのか、文字ではよく分からないのですが、
「官製談合防止法の違反だ!」の「あっ」なのか、単なる頷きなのか・・・
優越的地位の濫用の疑い:
さて、そもそもNECとの契約減額に至った経緯がイマイチよく分からない飛ばし記事みたいなものが
乱立しており、事実関係がはっきりつかめないのですが、デイリー新潮によると、
オリパラアプリの受注はNTTコミュニケーションズ(NTTコム)やNECなど5社のコンソーシアムで、
NECの契約額は「4億9500万円」とのこと。NTTコムは45億7600万円と、比べるまでもなく大きい。
この内NECが担当したのは顔認識の部分で、当該機能に関してNECが本契約に置いてすでに開発を
終えているにも関わらず、「すでにNECが開発済みのシステムを使ったサービスなので払う必要はない」
とのことで減額した、とのこと。
これだけではよく分からないんですよね。
ただ、発注側が合理的な理由なしに一方的に契約の減額を強要するのは、
独占禁止法の定める優越的地位の濫用の疑いがあります。
疑いはあるのですが、情報が偏りすぎていて、なんとも言えない状況ですね。
NECに対してどういう仕様書で見積もりを依頼し、NECが見積もり、入札を行い、商議し、
落札し、どこまで履行したのか。そしてどの段階で変更契約の話が出てきて、
変更後の仕様書と金額に妥当性があるのか、そのへんが明らかにならないと。
分からない闇の公共調達の部分が多すぎます。
そのあたりを切り込むのがメディアの役割なのに、一方的に平井大臣の人柄を攻めるだけ。
あのね、人柄とかどうでもいいから。
公共調達について予算の成立過程から調達、入札、契約、履行、変更契約に至る過程を
明らかにして欲しいところ。マスコミには無理か。
官製談合防止法の違反かも:
さて、平井大臣が名指ししたACESというベンチャー企業、技術力があるかないかは知りませんが、
それも踏まえて総合評価落札方式で契約者を決定すればいいかと。
一般競争入札・総合評価落札方式の弊害はここに書ききれないぐらいありますが、
オリパラアプリなんて開催そのものは何年も前から決まっていたので、
「公示期間が取れないので随契にした」というありがちな嘘八百を並べるわけにもいかないので、
正々堂々と業者から相見積もりを取得の上、競争入札すればいいかと。
この際に参入できる可能性があるにも関わらず応札の意思がない、
見積もりを出さない企業に対して、応札の意思の確認、見積もり提出の意思の確認は
官庁はやるべきですが、それは調達の現場サイドがやることであって、
大臣が社名を名指しで上げるとそりゃ官製談合防止法の違反の恐れ、
と言われてもしょうがないですね。
大臣が「見積もりとれよ」というのならばともかく、「一緒にやっちゃってもいいよ」と
言ってますからね。
という訳で、今回のオリンピックに関わるグダグダ劇、まだまだ続きそうです。
ほんとこの件、失言は失言なんでしょうけど、何が課題なのかさっぱり分からないのでいまいち盛り上がらないですよね
野党とかも下手に騒いで見当違いのこと言ったら墓穴なのでほとんど触れないし
https://www.mag2.com/p/money/1051713/amp?__twitter_impression=true
自民党は統一教会とズブズブだからなw
何が問題なのか分からない、と言っている人をたまに見かけます。
理解できない理由には以下の1つ、または複数が当てはまる人が多いようです。
・本件に関する情報収集不足
・情報システム開発等に対する知識不足
・理解する能力の不足
・何が問題なのか分からないふりをして政権を擁護したい、擁護しなければならない
バカなワイにもわかりやすく教えてください。
管理人さんがSIerの本職のSE/SRならともかく、そうでないなら下手に見解とか書かない方がいいよ
えっ?いつから言論統制のブログに?できらぁ!
松尾さんのところは癒着とかしても何のメリットもないし、単に知り合いアピールしたかっただけだろうね
ttps://twitter.com/nagasawatetsuya/status/1403188819365564418
独禁法はこれが参考になるかも
実は一番突っ込んで欲しかったのは、書いていただいた「国の優越的地位の濫用」のところでした(笑)。
コメントありがとうございます。
このPDF、諸般の事情でだいぶ前に見てたんだけど、公正取引委員会の見解は、
平成元年と平成12年12月の最高裁第二小法廷判決と矛盾してるのよね。
屠殺場の運営ともう一方はなんだっけ・・・東京都水道局だっけ。忘れた。
矛盾というか、最高裁判決は国が事業体となりうることを否定していないんだよね。
「反対給付を行い、経済活動を行う主体として」ほにゃららという書き方だったはず。
ぜひともNECには裁判で争って頂きたい。争う気はないみたいですが。
節約速報要素は?
むしろこれがメインやぞ?官庁は事業体として優越的地位の濫用を問えるのか?ここが争点や。