知床観光船、社長が変わってベテラン（月30万）を全員解雇、バイト（月15-20万）で補填していた。日本の縮図みたいな会社。安全は無料じゃないよ。

知床観光船、社長が変わってベテラン（月30万）を全員解雇、バイト（月15-20万）で補填していた。日本の縮図みたいな会社。安全は無料じゃないよ。

乗客乗員26人を乗せた観光船が知床半島沖で沈没した事件で、現時点で生存者は見つかっておりません。
さて、運行会社の社長は2-3年前に社長が変わり、それまでいた高給取り（と言っても月30万）の
首を全員切って、バイトで補填していたことが報道されています。

運航会社を知る人：「一流のベテランばっかり4〜5人いた。船長も責任者が4〜5人いた。それを（社長が）全員解雇した。経験のあるものは給料が月30〜35万になる。でも全員解雇してバイトを集めれば、15万か20万で頼める」

沈没したとみられる『KAZUI』は去年、2回事故を起こしています。5月に漂流物との衝突事故を起こし、6月には、今回と同じ豊田徳幸船長が座礁事故を起こしています。

2022/04/25 23:30
社長が代わり「全員解雇」運航会社“安全管理”に問題は…知床観光船事故11人死亡｜テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト

まるで今の日本の縮図のような構造じゃないですか・・・正社員を切り、安全対策コストを削減し、
派遣やバイトで補う。どこの企業でも行われていることです。

安全対策費用というのは平時には表立って効果が見えないため、平和な時世が続くと軽視されがち、
削られがちですが、こうした悲劇の形で一気に表面化することになりました。

また、事故を起こした同船では船体に亀裂が入っていたという同業者の話や、
GPS装置が取り外されており、会社の運営体制にも疑問符が付くところとなっています。

ちなみに、なぜかダイヤモンド・オンラインの「大赤字だった知床遊覧船を黒字にした方法」
という記事が急遽削除されて、話題を呼んでいます。詳細は不明。
【魚拓】ダイヤモンドオンライン「大赤字だった知床遊覧船を黒字にした方法」という記事、なぜか削除される | まとめまとめ

それにしても、安全は無料じゃないですね。

日本でもこれまで防衛費についてGDP比1％という縛りが有りましたが、
ドイツもウクライナ危機のあおりを受け、防衛費を2％超とする、冷戦終結後最大となる
大展開を行う方針を明らかにしています。
平和主義のドイツがウクライナ危機で豹変　防衛費2倍、徴兵復活も：日経ビジネス電子版

力なき国は蹂躙され、虐殺され、奴隷に成り下がることが21世紀のこの世の中でも繰り返される、
ということが国連常任理事国のロシアの手によって証明されましたので、
ロシアと領土問題を抱え、帝国主義の中国と近接する我が国も、そろそろ安全というものに、
然るべきコストを払う時代が来たのかと思われます。