米FDAが米ハイランド(Hyland’s)社のホメオパシー商品の利用中止、廃棄を勧告へ。オーガニック製品が常に良いとは限らない。
節約速報と特に関係は無いのですが、なんとなく気になったのでご紹介。
ホメオパシーは全部プラシーボ効果で、医学的な効果は何一つないことで有名ですが、
この度、アメリカ食品医薬品局 (Food and Drug Administration)が、
米ハイランド(Hyland’s)社の「Teething tablets(錠剤)」や「Teething gels(ゲル)」にて
有害な報告が相次いだため、これらの製品の使用中止と廃棄を勧告する声明を発表しています。
FDA公式:Press Announcements > FDA warns against the use of homeopathic
teething tablets and gels
FDAによると、強い毒性を持つベラドンナ由来の成分が子供や乳幼児に危険を及ぼすのだそうな。
ちなみにベラドンナとは、ナス科オオカミナスビ属の草本。
ソース:ベラドンナ – Wikipedia
毒性が強く、かぶれ、腫瘍、嘔吐、散瞳、異常興奮、最悪死亡します。
希釈するとは言え、これをよく「身体に良い」として売ろうとするなぁ・・・商魂たくましすぎるわぁ・・・
なお、ホメオパシーで使われるレメディーというのは、砂糖水やよくわからない毒性物質を
何十回と希釈して、もともとの性質は失われるものの、水がその成分を「記憶」しており、
それが病気になぜ効く、という謳い文句で販売されています。
もっとも、今回の事例ではレメディーの粗製濫造により、毒性が希釈しきれなかったのでしょう。
おそらく途中で希釈するのがめんどくさくなって、C値(希釈した回数)が低いまま出荷されたのでしょう。
そもそものレメディーの原理からして義務教育を受けた人間からすれば、
「は?液体が記憶?は?」と突っ込みたくなるのですが、健康に困った人は、
藁にもすがる思いでこのような民間療法に手を出されるのかと存じます。
ですが、この国は国民皆保険制度が十分に施行されていますので、まずは近くの医療機関に
相談しましょう。
もっとも、医療費負担が少ないジジババ共が病院を井戸端会議の場所と勘違いして
入り浸っており、医者が一人当たりに避ける時間が減少し、本当に困っている人が、
忙しくて機械的な診察しか出来ない医者に対して不信感を抱くため、このような怪しい民間療法に
ついつい手を出してしまう、という根本的な問題もあります。
ちなみに、Gigazineで本当に「オーガニックフード(有機食品)」は健康にも環境にも良いのか?という
記事もあるので、健康志向やオーガニック志向な人はちょっと見てみましょう。
facebookを見ていると、だいたい数人はこういう人が毎日投稿しているんだなぁ・・・
Gigazine記事を要約すると、下記の通り。
・自然が常に良いとは限らない。
・自然から生み出される虫除け剤でも人間の健康や環境に悪いものがある。
・オーガニックは環境に負荷をかけるにもかかわらず、33%も収穫量が少ない。
・オーガニック製品は一般製法に比べて栄養価が低い。
・一般製品とオーガニック製品を両方食べるのが良い。
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代替医療解剖 [ サイモン・シン ] |
民間療法、代替医療の効果のなさ、危うさ、医療科学の否定の歴史について学びたい人は、
サイモン・シンの代替医療解剖(旧題:代替医療のトリック)を読んでみましょう。
907円の割には、学ぶことが多すぎる本です。
アメリカ合衆国大統領ジョージ・ワシントンは、誤った医療知識による、
誤った医療行為「瀉血(血を抜くこと)」で死亡したのではないか、と言われています。
こんな胡散臭い方法を紹介しているサイトもありますが、真に受けずにやめておきましょう。
しつこい肩こりや腰痛に…“ドロドロ血”を抜く「瀉血治療」を体験してみた | 女子SPA!
現代医療における瀉血療法もありますが、まともな医者の監督下のもと、医療行為として
行う場合に限られます。
ソース:瀉血 – Wikipedia